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19/01/2009

食糧輸入国に労働力ダンピングは難しい

 bobbyさんという方から、相変わらずトラックバックが送られてきます。

 彼の主張の要点は、日本は、政策的に国内単純労働者の労働条件を悪化させることにより、いわば労働力ダンピングを行うことで、ベトナム等の新興国と競争せよということのようです。しかし、この路線を採用した場合、失敗は目に見えています。

 すなわち、食料や原油などの基礎的な資源について輸入依存率が高い我が国は、これらの資源を国際相場で調達しなければならない以上、食糧自給率等が高い新興国の労働者と賃金水準が同程度だと、彼らより数段劣る消費生活を労働者が余儀なくされることになるからです。一応、前の記事に書きましたが、工場が衣(制服)食(3食)住(社員寮)を全額負担しますので、物価がベトナム並みにならなくても生活には困りません。とは言っているようですが、工場に「衣(制服)食(3食)住(社員寮)」を負担させたのでは、その分労務コストが上昇しますので、ダンピング競争には勝てないということになります。従って、この構想はほぼ必然的に、日本の工場労働者に、世界でも最低レベルの生活水準を押しつけ、彼らの労働によって得た成果の多くを外国人投資家にプレゼントしてあげるという結果をもたらすことになります。つまり、「日本国民を、外国人投資家の奴隷にする」構想だと言っても差し支えないでしょう。

 そして、それは工場労働者の生活を破壊するだけでなく、国内消費者を対象とするサービス業をも破壊することになります。特に、日本国内では、国内の消費者が「文化」的な付加価値に支出をする余裕がなくなるわけですから、「Cool」な物を生み出す感受性といったものが目に見えて衰退していくことが予想されます。すなわち、日本製品が、他の新興国の製品に対して有している優位性の大きな柱をみすみす捨てることになります。

 昨今の新自由主義者は、往年の社会主義者以上に、大衆は自分たちのコントロールするとおりに動くはずだといううぬぼれが強いようですが、往年の社会主義者以上に、人間というものの把握が平板で、人間の行動予測が「ご都合主義」の域を出ていないようです。

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