需要曲線も動く
池田先生のことですから,きっと分かっていながら,議論を盛り上げるために過度の単純化をしているのでしょう。
池田先生がこのエントリーで提示されているグラフが成立するためには,その市場における労働者の賃金曲線が下方に移動しても,需要曲線が変動しないことが必要です。
そして,労働需要というのは,技術革新による労働者1人あたりの生産量が一定だと仮定した場合,労働により生産される商品・役務の需要に従属します。そして,専ら当該労働市場に属しない者を対象とした商品・役務については賃金水準の低下により直接的に需要が低下することはないとしても,当該市場に属する労働者に支払われる賃金の総体が減少する場合には,当該労働市場に属する者により消費されることが予定されている商品・役務については賃金水準の低下により需要自体が低下し,これに伴い労働需要自体が低下します。したがって,単純化されたモデルで考えてみても,賃金水準が下がれば雇用が増加するとはいえないということになります。
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