Class Warfare
日本の新自由主義者がどう言おうと,英文サイトを見る限り,"class warfare"(階級闘争)という言葉が大流行です。それも,発展途上国の話ではなく,米国等の先進国のお話としてです。"class divide"(階級格差)という言葉も普通に使われています。まあ,マルクスは資本主義の研究者としては一流だったので,資本主義社会を分析するにあたっては,マルクスが開発した諸概念を用いることは有益ですから(そもそも"Capitalism"(資本主義)自体,マルクスの造語ですし。),当然のことなのですが。
もちろん,池田信夫先生より経済学者として高く評価されているクルーグマン教授はブッシュの富裕層優遇政策を「class warfare」と評価していたわけですが,ここへ来て,オバマ大統領の経済政策に関して,逆の意味で「class warfare」との評価が生じているようです。同時に,「Soak the Rich」(金持ちに重税を課せ)という言葉も英文サイトで大量に検出されるようです。
「規制を緩和して,もっと富を一握りの人に集中させて,その他大勢を貧しくさせよう」という時代は米国では終わりつつあるようです。なにせ,msnbcですら,"30-year deregulation era dies a sudden death"(30年にわたる規制緩和時代が突然死を迎える)みたいな文章を掲載してしまうくらいですから。日本では,そういう現実に目を閉ざし,世代間対立を煽って目くらましするのが,一部の経済学者とそのファンの間で流行っているようですが。
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