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08/02/2009

きちんとした手続を踏めばOKということです。

 池田先生が、そのブログエントリーのコメント覧で次のように述べています。

日本企業の利益剰余金が多く、それがROEを下げているのは周知の事実です。村上ファンドのねらった会社では、現預金の残高が時価総額を上回っていた。利益剰余金は、会社が資本家から借りている金なので、ほんらい配当しなければならない。そうすれば株主資本の分母が小さくなって、ROEも上がるのです。



共産党のいうように、利益剰余金を労働者に払う理由はない。そもそもどういう理由で払うのか?ボーナス?そんなことをしたら、株主から「資本家の金を勝手に流用するな」と訴訟を起こされるでしょう。労働者は雇用契約で定めた報酬を受け取り、資本家は損しても得してもresidualを取る「残余請求権者」だというのが、資本主義の原則です。法律家の小倉さんが、商法の原則も理解してないのは困ったものです。

 私の「ROEの低さ」というエントリーでは、利益剰余金を取り崩して労働者に支払え云々という話はとりあえずしていないので、私の見解に対する批判としては的を射ていないように思います。

 1億円の資本金に対し1年間の営業活動の結果利益が5000万円生じた場合に、これを全て配当に回せば(説明を簡略化するために、法定準備金の話はひとまず措きます)、ROEは50%となる代わりにBPSは変動しないのに対し、4000万円を準備金として内部留保すれば、ROEは10%にしかならないかわりに、BPSは1.4倍になります。それは、株主として、投下資本の回収手段として、配当金収入を重視するのか、将来の株式の譲渡を重視するのか、によってどちらを望ましいと考えるのか違ってくるものの、どちらも株主の利益を増大させていることには変わりはないわけで、単にROEが低いことをもって、後者についてはさも株主の利益が犠牲になっているかのように述べるのはおかしいのです。

 なお、これは池田先生のブログのコメント欄常駐者のレベルにあわせて簡略化させていっただけなのでしょうが、「利益剰余金」というのは純資産項目であって、労働者に支払われる原資は(流動)資産からなので、「利益剰余金を労働者に支払う」ということはありません。利益剰余金がたくさんあるということは、それだけ資産がたくさんあるということなのだから、「100年に1度」といわれる大不況の時に、すぐに首切りをしなくったって、賃金を支払う余裕はあるではないかというのが、共産党等のいっている趣旨なのではないかと思います。確かに、資本金10億円以上の企業だと、現金・預金だけでも、年間の従業員給与とほぼ同額あるようですから、それはそれでわからないでもない話です。

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