« 「手抜きをせよ,依頼者を裏切れ,サボタージュせよ」という外野の絶え間ない要求 | Accueil | Class Warfare »

25/02/2009

神頼み経済学

 結局のところ,今回の不況というのは,「新自由主義」という一種の「神頼み経済学」がもたらした惨禍だということができそうです。「目の前に苦しむ人々がいても,政府はこれに手を差し伸べず,手の見えない神に委ねれば全てうまくいく」ということ自体が神懸かりですが,それにも増して,「供給の効率性さえ高めれば消費の原資は神様が天から贈って下さる」ことを前提に,「企業活動による生産活動の成果を賃金という形で労働者→家計へと移転させなくとも,内需は増加する」との預言をして回るあたりが神懸かりです。

 もちろん,神様が全知全能なんてことは東洋の伝統やギリシャ神話の世界観からいったらあり得ないのであって,手の見えない神は富の多くをごく一握りの「お気に入り」に偏頗分配することでその多くを死蔵させ,また,消費の原資を降らせてくれなかったので,生産活動の成果物の家計への移転が先細るに従って国内需要も先細っていったわけです。

 どの世界にも神を気取るペテン師というのはいるものであって,様々なトリックを使って「奇蹟」もどきを見せてまわるわけですが,「新自由主義」という「神頼み経済学」にとってのトリックが,「サブプライムローン」に代表される「消費のための借金の容易化」により,賃金ではなく融資により,消費の原資を降らせてみせることだったわけですが,「消費者向けローン」というのはいずれなくなる泡のようなものだったので,泡が消えた瞬間に,「消費の原資がない」という現実に引き戻されてしまったのです。

 日本では未だに,「新自由主義は終わった」との考えが日本の一部でしか共有されていないかのように読者を欺く研究者が大手をふるっているようですが,Google等で「End of neoliberalism」で検索すると多数のページが検出されることからも,これが実態に合致していないことがわかります。何にせよ,未だに「神頼み経済学」を布教している宣教師たちが「で,消費の原資はどこから沸いて出てくるの?」という質問には口をつぐんだままだというあたりに,この一種の宗教のいかがわしさが如実に表れています。

« 「手抜きをせよ,依頼者を裏切れ,サボタージュせよ」という外野の絶え間ない要求 | Accueil | Class Warfare »

Commentaires

L'utilisation des commentaires est désactivée pour cette note.

TrackBack


Voici les sites qui parlent de: 神頼み経済学:

» 資本主義が発達するためには [夕螺の読書ブログ]
経済学って難しいですなぁ。。。。。というのも、今という時代をどのように解釈をして矛盾を解決するかは、今にはじまったことではなくてずっと昔から起ったことであるから、経済学者が頭を悩ます中身は同じです。これまでに経済学が解決できなかったことを考えるので...... [Lire la suite]

« 「手抜きをせよ,依頼者を裏切れ,サボタージュせよ」という外野の絶え間ない要求 | Accueil | Class Warfare »

octobre 2017
dim. lun. mar. mer. jeu. ven. sam.
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31