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21/02/2009

新自由主義者に高く評価される司法とは

 新自由主義者に高く評価される司法というのは,一体どういうものなのでしょうか。

 利息制限法上の上限金利を超える金利のもとでお金を借りて,瞬く間にふくらんでいく金利の呆然となっている相談者に対し,「あなたはその金利をつけてお金を返す約束でお金を借りたのだから,利息を含めてきっちりそれを返さなければなりません。」と言って,生きている間は利息を返すだけの人生を過ごすことを覚悟させるのが,経済学者から望まれる司法ということでしょうか。あるいは,臓器斡旋コーディネーターや風俗産業等と提携して元金を返す機会を提供するのが,新自由主義者のお眼鏡にかなう司法のあり方ということになるのでしょうか。

 もちろん,「借りたお金が返せなくなった場合,貸し主に迷惑をかけないように,生命保険をかけてから自殺すること」とのアドバイスを全国のクレサラ相談センターで行うようにすれば,新自由主義者からは,「そうあってこそ,金融機関は安心して無審査で高利のお金を融資できるのだ。」とのお褒めの言葉をいただけるかもしれません(ただ,その場合,生保会社は約款を改正して,クレサラ業者等からの借入状況を告知義務の対象に含めるような気はしますが。)。できるだけ,経済に悪影響を与えない自殺方法なんかもアドバイスすると,「日本の法曹も,ようやく,『一段階論理の正義』を乗り越えて,何が経済学的に望ましいのかを考えて業務を遂行できるようになった」と高く評価いただけそうな気がします。

 ただ問題は,司法の側には,いわば鬼・悪魔の状態になりさがってまで,新自由主義者たちのお褒めにあずかるインセンティブがないということです。弁護士業務を一般に開放すれば,競争原理が働くではないかって?しかし,利息制限法上の上限金利を超える金利のもとでお金を借りて,瞬く間にふくらんでいく金利の呆然となっている相談者に対して,利息制限法の上限金利での再計算による債務額の圧縮や過払金請求等を行わずに,生命保険をかけてからの自殺を勧めるような弁護士って,いくら立派な大学院で経済学を教えておられる経済学博士らからお褒めの言葉を預かっても,繁盛しないように思えるのです。

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