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14/02/2009

池田先生や木村剛さんが望むような経済政策を実行するとどうなるか

 池田先生や木村剛さんが唱えるような新自由主義的な経済運営を行うと実際どうなるのかの実証例は,フリードマンの弟子たちに経済政策を委ねそして彼らを追い出すまでのピノチェト政権前期(1973-が典型的です。国有企業の民営化,外資導入の自由化はもちろん,年金や銀行の民営化,最低賃金制度の廃止,労働組合の禁止など,この期間,新自由主義者がやりたいことの多くが,反対者をがんがん虐殺することで,実現できていたわけです。

 Iain MacSaorsa氏のこのページに依れば,その結果,チリの実質平均賃金は,1976年の段階で,1970年よりも35%低くなったとのことです。Iain MacSaorsa氏もafter nearly 15 years of free market capitalism, real wages had still not exceeded their 1970 levels.としています。「賃金水準が下がると失業率も下がる」という池田先生の理論でいくとさぞや失業率は下がったのだろうと思いきや,失業率は,1973年に4.3%だったのが10年後には22%にまで上昇しています。

 では,せめてGDPくらいは大幅に改善したのかと思いきや, 1974年から82までの間のGDPの平均成長率は1.5% であり,1960年代の4.5%よりも低く,同時代のラテンアメリカの平均成長率4.3%よりも低かったようです。1970年から80年にかけてのチリの人口あたりのGDPは8%しか成長せず,ラテンアメリカ全体の人口あたりのGDPの成長率40%よりもかなり低かったようです。1986年になっても,人口あたりの消費が1970年よりも11%も低く,1972年から87年にかけて23%も低下している(そりゃ,平均賃金が低く,失業率も高いのだから当然ですね)のでは,経済成長は難しいでしょう。もっとも,上位20%の富裕層の消費は15%上昇しているようですが。

 で,基本的な食料と住居の確保に最低限度の収入を得られない貧困層は1970年から1987年にかけて20%から44%に増えたとのことです。簿価よりも40%も安く払い下げた銀行にしても,1982年には破産してしまうのですから(→ここ参照。),まさに新自由主義は死屍累々です。

 その後,チリ経済は,フリードマンの弟子たちを追い出し,最低賃金制度と労働組合の団体交渉権を復活させ,銀行等の再国有化を果たすことで,回復していきました。池田先生からは私が「新自由主義=悪」と決めつけているとの非難を受けますが,新自由主義を実際の経済政策に実装した結果がこの体たらくなのですから,庶民が経済的に苦しむこと自体に価値を見出すサディストでもない限りは,新自由主義に机上の空論以上の意味を見出さないのは当然のことなのではないかと思います。

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