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19/03/2009

不老不死を前提とする愚

 城繁幸さんは,次のように述べているようです。

城:まず、大卒者の3分の1以上が3年以内に会社を辞めます。その理由について、世間では、若者の我慢が足りないからだと言っています。でも、事実は違います。たとえば、従来の年功序列では、若者は下働きで一生終わってしまいます。というのも、バブルが弾けて組織が小さくなってしまったにも関わらず、上がポストを独占していて空きがないからです。

 このようなことをいう人事コンサルタントがいる日本というのは本当に自由な社会だなあと思います。城さんの想定では,団塊世代の人たちは何歳まで会社に居続けることになっているのでしょう。

 一般に,年功序列型の人事体系をとっている組織においては,ポストは概ね同世代間で争われることになっており,上の世代がポストを独占しているが故に下の世代にポストがないということは通常起こりません。「バブルが弾けて組織が小さくなってしまった」場合に,役職適齢期の従業員の中で役職に就けない人の割合は増えるとは思いますが,それは「バブルが弾けて組織が小さくなってしまった」にもかかわらずその世代の従業員が解雇もされず退職もせずその組織内に大量に残ったことの結果であって,上の世代がどうのという話でがありません。

 年功序列制度が採用されている組織においては,年齢とともに「定年退職」を迎えるのが通常なので,「従来の年功序列では、若者は下働きで一生終わってしまいます」ということも通常ありません。同世代間での出世競争に勝ち残れば,役職適齢期が来ればいずれ然るべきポストに就くことができます。

 一方で,城繁幸さんはこのようなことも言っています。

 要するに中小企業の場合、創業者はもちろんのことですが、優秀な2代目というのは、10代の学生のうちからすでに経営者としての英才教育を受けているのです。卒業して、自分の会社に入社し、中には丁稚奉公に出されながら、経営者になるためのより実践的な英才教育が始まり、徹底的に経営ノウハウを磨いていくのです。これは一種のキャリアパスが分化した形です。

 「10代の学生のうちからすでに経営者としての英才教育を受けている」2代目がいる企業こそ,彼と同世代の従業員には社長というポストがないことが半ば約束されている企業ということになりますが,城さんは,そういう要因でのポスト不足による閉塞感は肯定されるようです。企業の中には,社長どころか役員全部が同族で,一般の従業員にはポストがほとんど余っていないというところもあるのですが,そういうのは城さん的にはOKなのでしょう。この種の「英才教育」が成功して優秀な2代目が跡を継ぐ割合というのは実際のところあまり多くはないのですが。

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