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06/03/2009

中途半端な法人税廃止論

 ブッシュJr.のアドバイザーであり,また,前回の大統領選の予備選でMitt Romneyのアドバイザーを務めていたN. Gregory Mankiw氏の見解を紹介して,法人税廃止論を正当化しようとする人がいるようです。

 ただ,ブッシュ前大統領の経済政策というのはとても評判が悪かったので,ブッシュ前大統領のアドバイザーが自分と同じようなことを言っているから自分の意見は正しいのだと言われても,周囲の人は途方に暮れざるを得ないようです。

 ただ,Mankiw氏の法人税減税論は,法人税減税による財政の収入不足を消費税(売上税)の増税で埋め合わせたのでは意味がなくなります。法人税減税によりよる経済成長,配当・給与の増加による税収の自然増により賄う必要があります。ですから,法人税が減税されたら,企業は商品価格を引き下げ,従業員の給与を増大させるとの信頼がない社会において適用できる話ではありません。

 また,「法人税は二重課税である」との議論は法人擬制説を前提とします(法人実在説に立った場合,法人と株主は別人格ですから,二重課税云々という問題は生じません。)。この場合,資源配分を歪めない法人税の廃止方法は,法人の当該年度の一株あたりの純利益に保有株式数を乗じたものを,当該法人からその年度に受けた配当とともに,その株主の「所得」に附加した上で,その全体について累進的な所得税を各株主に課すことが必要となります。すなわち,この場合,「配当」として受領できなかった企業の内部留保分に対しても株主に課税すべきということになります。

 モデルを使って具体的に見ていきましょう。

 1億円のコストを支払って2億円の売上げを得,生活費や住宅の購入などに4000万円ほど費やした事業主がいたとします。法人化していない場合,所得税は2億円ー1億円=1億円に対して係ります。そして多くの国では,個人でこれだけの収入を得ていれば,所得税率は最高税率が適用されます。

 この事業を,この事業主が100パーセント株式を有する事業会社で行った場合,個人として使用したい金銭4000万円を株式配当として事業主に振り分けることができます。この場合,法人税は,2億円ー1億円=1億円に対してかかりますが,所得税率よりは相当税率が低くなります。また,この会社の100%株主は配当によって4000万円の収入を得ることができるのですが,源泉分離税が選択できる国々においては,その税率は相当低くなります。所得税について累進課税が採用されており,かつ,法人税の税率が所得税の最高税率より相当低い国々においては,法人税と配当に対する源泉分離課税を支払っても,なお,個人事業主として事業活動を行うより,支払う税額は低くなり得ます。

 法人税をただ廃止した場合,2億円ー1億円=1億円のうち,株式配当として100%株主に配当した4000万円についてのみ課税の対象となり,企業内に留保された6000万円については課税対象から外されることになります。Robert Reichが言っているのは,この6000万についても,この100%株主の個人所得として課税せよと言うことです。二重課税を回避するために法人税を廃止するというのであれば,こちらの方が圧倒的に筋が通っています。そうでない法人税廃止論は,この6000万円について,一切課税対象とならない聖域として残せと言っているに過ぎません。

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