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02/04/2009

むしろ、読者に斟酌される属性をコントロールしたいのでしょう。

 属性が加味されることに賛同できない人は、論者に関する属性に言及されている部分を無視すればよいのではないかという気もするのですが、どうもそれは彼ら自身望んでいないのではないかという気もします。そうではなくて、どのような属性を読者が斟酌するかは俺にコントロールさせろといいたいだけなのではないかという気がするのです。

 矢部善朗氏についていえば、わざわざ「モトケン」というハンドルネームを名乗ってまで、「検察OB」であるという属性を強調しているのであって、論者の属性を捨象して純粋な「論理」のみで勝負しようとはしていないわけです。あのブログの常連コメンテーターの多くもまた、その氏名等は明らかにしないもの、医師だの弁護士だの公務員だの法務業だのというご自分に都合のよい属性は、立派に強調しているわけです。

 「検察OB」という、「刑事法や刑事手続に熟知している」との推定、「そのような者が刑事法や刑事手続に関して述べていることだから概ね信頼できるのであろう」という推定が読者に働くであろう属性がをその論者自身により読者に提示されている場合に、その推定を障害する属性(彼が過去に担当した事件は捜査過程に重大な問題があったと多くの法律家によって考えられていること、彼の所属する組織は当該被疑者ないしその関係者の評価が批評対象の刑事手続により下落することにつき利益を有していること等)を指摘することは、むしろ議論の健全性に資するのではないかとも考えられるのですが、「属人論法は怪しからん」といっている人々は、それを「怪しからん」といっているようです。

 まあ、ネット上では些末的なところで「勝ち負け」を判断したがる人がいるのですが、ある犯罪類型を「形式犯」ではなく「実質犯」と解することによって処罰範囲を拡張することができると考えている法律専門家が彼以外にどの程度いるのかを見てみれば明らかではないかという気がします。実質犯における「故意」にしても、当該刑罰法規により保護しようとしている法益が侵害され又はその危険は発生することの故意があればそれだけでよいというのではなく、その認識・認容している事実関係自体で当該犯罪の客観的要素を全て構成できることを要すると考えるのが法律専門家の間では一般的でしょう。

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