地球温暖化対策と貧困対策と両方とも非常に大事だと答えて落第になる学校は滅多にない。
池田信夫さんが次のように述べています。
あきれるのは「両方とも非常に大事」という答だ。彼らは、地球温暖化対策と貧困対策にトレードオフがないと主張している。つまり前者に1兆円かけても100兆円かけても、後者に配分できる費用は同じだというのだ。「遊興費を切り詰めて水と食料に当てる」というトレードオフにも気づいていない。こんな答案を書いたら、高校生でも落第だが、著者は東北大学・ハーバード大学などのれっきとした研究者である。もちろん彼らは経済学の専門家ではないが、地球温暖化対策は経済問題である。かりに彼らの科学的知見がすべて正しいとしても、地球温暖化対策の社会的便益が貧困対策より低ければ、後者より多くの予算を割り当てることは正当化できないのだ。
普通に考えれば,日本を含む全ての国において,国家予算が地球温暖化対策と貧困対策にのみ割かれているということはないのですから,他の用途に割かれている予算を削減することによって,地球温暖化対策と貧困対策の双方により多くの予算を割くことは可能です。また,必要とあらば,法人税や相続税等を増税することにより国家予算の枠自体を拡大した上で,地球温暖化対策と貧困対策の双方により多くの予算を割くことも可能です。その意味では,理論上は,地球温暖化対策に100兆円をかけても,地球温暖化対策に1兆円しかかけなかったときと同じだけ,貧困対策に予算をかけることができます。
実際には,地球温暖化対策が喫緊の課題でありその解決のために政府はより多くの予算をそこにつぎ込むべきだとする論者においても,そのために単年度で100兆円つぎ込めとは言っていないようです。従って,地球温暖化のために政府が今なすべきであると彼らが言うことをなすのに必要な予算を捻出することと,貧困対策こそが喫緊のその解決のために政府はより多くの予算をそこにつぎ込むべきだとする論者がそのために政府が今なすべきであると言うことをなすのに必要な予算を捻出することとは,同時に達成することが十分に可能です。従って,地球温暖化対策を政府が行ったら貧困対策はないがしろになってしまわざるを得ないという強い意味で両者がトレードオフの関係に立っているとはいえないというのが,大学生以上の知識レベルの人を対象とした場合には正解となるのではないかと思います。
ということで,地球温暖化対策と貧困対策の「両方とも非常に大事」という答えにあきれてしまうという考えこそ,あきれられるに値するといえそうな気がします。
« The road paved with bad intentions leads to Hell | Accueil | 「高校生の……」 »
L'utilisation des commentaires est désactivée pour cette note.
TrackBack
Voici les sites qui parlent de: 地球温暖化対策と貧困対策と両方とも非常に大事だと答えて落第になる学校は滅多にない。:
» 池田信夫blogに投稿して削除されたコメント [ネケイア 夜の航海]
※以下の文章は池田信夫blogの記事に投稿して管理者に削除されたコメントです。
削除されるような内容なのだろうか、1時間かけて書いた文章なのに、
と悔しいのでそのまんま自分ブログに書いちゃうことにしました。
Re:Re: 北極からこんにちは。 (池田信夫) 2009-04-12 15:08:25
>感染症で、全世界で年間500万人以上が死んでいます。
>そのための世界基金は約100億ドル。
>これは温暖化対策のコストの1/100以下です。
>ホッキョクグマの命と人間の命のどっちが大事ですか。
... [Lire la suite]
« The road paved with bad intentions leads to Hell | Accueil | 「高校生の……」 »
Commentaires