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25/04/2009

わいせつな意図はなくても全裸は危険

 小沢一郎氏の秘書については政治資金をアドホック的に拡張的に解釈して逮捕することは当然に許されるとする矢部善朗・創価大学法科大学院教授(元検事)が,深夜酒によって公園で全裸になって騒いでいた若者を警察が逮捕したことについて疑問だとしているようです。

 近隣住民の通報により駆けつけた警官において,「裸で何が悪い」と居直る若者を前にして,「悪くありません。どうぞ,全裸で解放された状態を,このままお楽しみ下さい。」と引き下がって交番に帰ると言うことは考えがたいです。また,六本木(住居表示上は「赤坂」かもしれませんが,あのあたりは文化的には「六本木」です。)において,深夜若者が奇声を発しているとなれば,警察としては,麻薬・覚醒剤等の使用を疑いますから,現行犯逮捕して身柄を確保した上で,尿検査等を行うというのも,手続法的には素直でないとは思いますが,まあ,やっておかねばという範疇のことでしょう。

 なお,特に女性に何かを見せつけるというのでなく全裸になった人がとりあえず現行犯逮捕されるというのは別に珍しいことではありません(前科・前歴がなければ通常起訴猶予なのでので,特に判例という形では残りませんが。)。

 報道されているだけでも,

  1.  「服がなかった」のでコンビニへ全裸で買い物
  2.  「彼女とけんかして」全裸でバイクを運転
  3.  「トイレに行くために」全裸で車から路上へ
  4.  「『蘇民祭』を思うあまりの郷土愛によって」商店街を全裸でテレサ・テンの名曲『つぐない』を歌いながら練り歩く
  5.  「ジョギングをしていたら気持ちいいので」全裸でジョギング

などの事例があり,そのような逮捕は不当だとの声は上がっていないようです。

【追記】

矢部教授は,こちらのエントリーで,本文で

草なぎ君のほうに恥ずかしい思いをさせようという気持ちがなければ、公然わいせつ罪の犯情としてはかなり軽くなるのかな、と思います。(追記 公然わいせつ罪の成立そのものを争う余地もあると思います。)
警察の恣意的な逮捕によって、一人の人気タレントのタレント生命を奪ったかも知れない可能性もでてきます。

と述べた後,そのコメント欄で,

 本文で判例にいう「わいせつ」の意義を書いていますが、今回裸になった行為が「いたずらに性欲を興奮又は刺激させ、」という性格を持つものであったかどうかかなり問題だと思っています。
 彼の今後の供述にもよりますが、仮に彼が公然わいせつ罪で起訴された場合において私が弁護を依頼されたら、引き受けて無罪を主張することになるだろうと予想しています。

と述べておられるようです。

【追記】

 最近は、強制わいせつ罪だけではなく、公然わいせつ罪まで傾向犯にしてしまうのが流行なのでしょうか?(最近、刑法各論の本を読んでいないので、今の流行を存じ上げないのですが。)。また、公園において全裸でいる青年が、警察に対して「裸で何が悪い」と開き直って見せたときに、公然わいせつ罪で現行犯逮捕する必要性が認められないと一般に解されているほど、現行犯逮捕の必要性が厳格に解釈されるようになったのでしょうか。尤も、某小宇宙で語られることをまともに相手にしても仕方ないのですが。

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