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05/05/2009

見抜けないのか,見抜いた上で目を瞑っているのか

 たぶん,大野さんと私の認識の違いは,裁判官の能力に対する信頼の高低にあるのだと思うのです。

 高知白バイ衝突死事件にしても,御殿場事件にしても,裁判官たちは被告人が無実である可能性が高いことを十分知っているし,福井女子中学生殺人事件にしても,当然出ているはずの証拠の開示を検察が拒むのはそれが被告人の無実を推認させるものだからなのだろうということは裁判官たちは十分わかっている,わかっていながらも己の立身出世のために真実に目を瞑って有罪判決を下しているのだ,と私は考えています。だから,裁判員だって,同じ証拠を見て,同じ証言を聞き,何が不自然かについて弁護人の説明を受ければ,被告人が真犯人であると信ずるには十分な疑いがあるのだという認識に至ることは十分にあり得ると思っています。

 「2001年9月16日の深夜に女子高校生(当時)が帰宅。母親に、遅くなった理由を「強姦された」と説明したため、静岡県警察御殿場警察署に被害届が提出され,逮捕された被告人少年らは連日の取り調べの結果16日の夜の犯行を「自白」したが,その後,被告人らの当日のアリバイが判明するや,その女子高生は同年9月9日に被害に遭ったと主張を変更した」という御殿場事件について,職業裁判官が,この女子高生の変更後の供述が間違いなく信頼できるものであると本心から信じていたとは,私は思わないのです。そこまで,日本の裁判官は無能ではないと思うのです。そして,上記のような事実関係の元で,この女子高生の変更後の供述の信用性を疑わないほど,一般市民が無能だとも私は思っていなかったりします。

 (なお,この事件は2002年の事件であり,当初は「強姦」被害にあったとされた日の直後に被害届がなされているのに,「被害者」の身体や着衣等についた体液その他のDNA鑑定の結果すら証拠として提出されていません。)

 そういう意味では,この御殿場事件などでは,裁判員制度のもとで,被告人を有罪とすべく裁判員を説得しようと思ったら,職業裁判官も骨が折れると思うのです。

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» 続・裁判員制度の懸念 [mohno]
小倉弁護士の「見抜けないのか,見抜いた上で目を瞑っているのか」へのコメントをはてブだけで済ませていたのは納得していたのではなく、色々忙しかったからです。閑話休題。さて、大野さんと私の認識の違いは,裁判官の能力に対する信頼の高低にあるのだと思うのです。とのことだ。そもそも有罪判決を出しておけば裁判官が立身出世できるという理屈がよくわからないのだが、たしかに時々首をかしげたくなる判決を聞くことはある。もっとも、そういうものでも判決文を読むと、それなりの理由が書かれていたりすることもあるのだが(Winny... [Lire la suite]

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