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08/05/2009

「隣の葡萄はきっと酸っぱい。だから全部引っこ抜いてしまえ。」みたいな

 池田信夫さんがそのブログのコメント欄で次のようなことを述べています。

なお「日本でも短期雇用はある」とかいう法律論(笑)を持ち出す無知な弁護士もいるようですが、労働実務を勉強してみろ。この記事で書いているのは、いうまでもなく通常の正社員(無期雇用)の話。NIRAの報告書も書いているように、正社員の雇用保護が強すぎるため、有期雇用でまともな人材が採用できない。その労働需要が非正社員にオーバーフローしているのです。それも規制されると、今後は海外にオーバーフローするでしょう。こういう「正義の味方」の顔をして規制強化を求める連中が、非正社員をさらに悲惨な失業状態に追い込むのです。

 遙か昔にNHKに在職していた時期にいくつかの労働現場を取材したことがある程度で,企業法務系の弁護士として当然労務系の相談も日頃より受けている実務法曹より,労働実務を勉強したつもりになっているのでしょうか?

 恣意的に解雇されない長期雇用を受けるメリットは労働者にとっては相当大きい以上,そのような雇用を提供する企業の方が人材を確保する面において優位に立つのは当然のことです。短期雇用しか提供したくないのであれば,人材を確保する上で劣位に立つのは当然です。そして,恣意的に解雇されない権利が確立されている長期雇用を提供している企業と,長期雇用を謳ってはいるが経営者がいつでも恣意的に解雇する権利を留保している企業があるときに,前者の方が人材を確保する上で優位に立つことは当然のことです。そもそも,有期雇用にせよ,非正規労働にせよ,基本的に,有能な人材を採用するためのスキームではありません。安定面で劣位に立たせる以上,優秀な人材を引きつけようと思ったら,報酬その他で魅力を高める必要があり,却ってコストパフォーマンスが悪いです。

 従業員を自己都合に合わせて使い捨てにするような企業でも人材を確保する上で劣位に立つことがないように,「法的に保護された長期雇用」という雇用形態をなきものにするという提案って,なんだかブラックな企業の方に顔を向けすぎているように思わなくはありません。

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