ギークな会社のスーツのお仕事
はてなの取締役である梅田望夫さんが次のように述べています。
英語圏ネット空間は地に着いてそういうところがありますからね。英語圏の空間というのは、学術論文が全部あるというところも含めて、知に関する最高峰の人たちが知をオープン化しているという現実もあるし。途上国援助みたいな文脈で教育コンテンツの充実みたいなのも圧倒的だし。頑張ってプロになって生計を立てるための、学習の高速道路みたいなのもあれば、登竜門を用意する会社もあったり。そういうことが次々起きているわけです。
SNSの使われ方も全然違うし。もっと人生にとって必要なインフラみたいなものになってるわけ。
でも,日本語圏では知に関する最高峰の人たちが知をオープン化しない,その原因を探求し,彼らが知をオープン化しやすい枠組みを作るにはどうしたらよいのかを考えるのが,コンサルタントとしての梅田さんの役割なのではないかと思うのです。あるいは,その人脈を生かして,知に関する最高峰の人たちに働きかけて,ネット空間でその知をオープン化するように仕向けるのが,取締役としての梅田さんの役割なのではないかと思うのです。でも,梅田さんは,「Web進化論」で得た知名度を,日本語圏でも知に関する最高峰の人たちが知をオープン化するように仕向けるという「公の利益」ないし「はてな(株)の利益」にではなく,「プロ将棋棋士との交友」という「私益」に使ってしまった感があります。
「Web進化論」で得た名声を利用して様々な「天才」と交流する機会を得ておきながら,彼らがその知をネット上でオープンしない理由を聞き出して「はてな」にフィードバックするという作業を行ってこなかった,その結果が,この様です。大衆路線の「ameblo」が人気者をネット空間に進出させることに成功したのに,そして,「知に関する最高峰の人たち」を引きつけるには一時期非常に優位な立場にいたというのに,この様です。
経営の安定のため「はてなダイアリー」はこれまで通りの方針で行くのだということなら,「知に関する最高峰の人たち」向けの「はてなVIPダイアリー」でもつければ良かったのではないかと思ったりします。それこそ,羽生名人でもそこに自分の知をオープンしたくなるようなやつを,です。そういう人間的な要素に関する提案を行うのが,ギークな会社におけるスーツ組の大きな役目の一つではないかと思ったりするのです。
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