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01/07/2009

具体論を述べると玉虫色ではいられなくなりやすい

 mohnoさんが、はてブコメントとして、本質的じゃないんだから、取調べの話に戻りませんかね。述べています

 でも、矢部教授にそれを求めるのって難しいのではないかという気がします。制度論って、話を具体化させればさせるほど、旗幟を鮮明にすることが求められていくからです。そして、冤罪を生み出す余地をどこまで残したいと思っているのかが明らかになってしまうからです。

 例えば、取調べの最中に録音録画が中断された場合には、その間に暴行・脅迫・偽計等がなされたことにより虚偽自白を余儀なくされたとしても後にその点を争うことが事実上困難となる(被告人と捜査機関側とで水掛け論になれば職業裁判官は捜査機関側の意見を信頼して自白の任意性を肯定する蓋然性が高い。)という現実を前提にして、そのようなリスクを冒してでも、自分が選任した弁護人に気兼ねなく、捜査機関側の人間と雑談を楽しみたいという被疑者が存在する以上、その希望は叶えられるべきだという議論はありうると思います。ただ、それを、取り調べの全面録画義務化の例外として刑事訴訟法改正案に組み入れるか否かを検討するにあたっては、無実の罪で刑罰を課されるリスクを高めてでも弁護人の目を気にすることなく捜査機関側の人間と雑談を楽しみたい被疑者がどの程度いるのか、そして、そのような雑談好きの被疑者の希望は、捜査機関側が偽計等を用いてまず録画の停止を被疑者に承諾させた上で、録画の停止後、暴行・脅迫・偽計等の方法により虚偽自白を強要するという活路を冤罪好きの捜査官らに与えてまで叶えてあげるべきものなのか等を検討する必要があろうかと思いますし、実装段階では、どのような要件の下で、どのような手続がとられた場合には、その被疑者は、虚偽自白を強要されるリスクを負ってでも捜査機関側の人間との雑談を楽しみたいと真に願っていると考えられ、かつ、その結果まんまと虚偽自白を強要され無実の罪で刑に処せられたとしても自己責任として切って捨てることが是認されるのかを論じていくことが必要となろうかと思います。

 でも、矢部教授は、捜査機関側の常連コメンテーターを切り捨てることも出来ない一方、冤罪好きの汚名を着る度量もないから、では具体的にどうするのかという点は、なかなかお答えにならないのではないかという気がします。


【追記】

「 thermalpaper 」という方が、ブクマコメンとで

経験に基づかない独自の妄想は見苦しいので、弁護士なら根拠を示しながら話しましょうね。↑意味不明です。「弁護人に知られたくない話を取調官にする被疑者」は存在しますがね。そのための開示拒否権の主張です。

と述べています。ただ、上記エントリーは、そういう人も中にはいたとしても通用する話なので、これに対する批判としては的が外れています。その希望は、捜査機関により悪用される危険をおしてまで認めてあげるべき話なのかを論じた上で、捜査機関による悪用をなるべく防ぐためにはどのような要件、どのような手続が必要なのかを具体的に提示する必要があるのです(「取調べの最中に、「取調べ状況を録画したDVDの開示を弁護士に少しでも見せたら、お前の家族がどうなっても知らないぞ」と捜査官が脅して一切を見せない運用をすることだって十分あり得るのですから。)。

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