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01/08/2009

世代間格差を特に問題視する人たちの種類

 最近は,「日本の最大の格差は世代間格差である」などといってそれ以外の格差から国民の目を背けさせよう,あわよくば,世代間格差を解消するためと称して他の格差を拡大させようという人々の声が喧しいようです。

 しかし,現実の消費活動の原資って基本的には「家族」という単位で考えていかないと仕方がないわけで,その中で高齢者の収入割合が高いとか低いということは,消費の主導権を誰が握るのかという点に違いは生ずるし,全ての「家族」が全ての世代を抱えているわけではないので家族構成ごとに利害得失を生ずるから,全く無意味とはいわないけれども,そんなにすごい大きな話というわけでもありません。むしろ,「家族」間の収入格差の方が,端的に「家族」間の消費格差に繋がるので,深刻だということができます。

 まあ,格差を解消して多少とも平等な社会を構築したくて「世代間格差」を問題視しているのか,それ以外の「格差」を誤魔化すために「世代間格差」をことさら問題視して見せているのかは,相続に対する態度を見ると結構よくわかってきます。(一部の)旧世代が溜め込んだ「富」は,その死亡とともに「墓場まで持ってい」かれることは通常なく,法に従って,別の法人格に移転します。そして,相続制度があると,それは,その旧世代の人物と一定の血縁関係にある,一世代若いだけの人間に移転することになり,本来受け取るべき富をその旧世代の人物に「搾取」された若い世代には還元されないということになります。もちろん,日本を含む多くの社会では「相続税」という制度が大なり小なり存在していて,相続税として国に収められた「富」は国としての様々な施策を通じて,その旧世代の人物に「搾取」された若い世代に還元することが可能となります。

 そういう意味では,本心から「世代間格差」を問題視する人々は,相続税率の引き上げ等により,旧世代の蓄積した富を,少なくともその死亡時には,国庫を介して,若い世代に分配することを肯定することになろうかと思います。

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Commentaires

    >旧世代が溜め込んだ「富」は,その死亡とともに
    >「墓場まで持ってい」かれることは通常なく,
    >法に従って,別の法人格に移転します。

    >もちろん,日本を含む多くの社会では「相続税」という制度が
    >大なり小なり存在していて,相続税として国に収められた「富」は
    >国としての様々な施策を通じて,その旧世代の人物に「搾取」された
    >若い世代に還元することが可能となります。

原理原則はこの通りであり、実際的にもこのよう運営されていますが、各種の抜け穴があることもよく知られています。

ブッシュ前大統領は相続税を2010年にゼロにすると公約して2000年の選挙で当選しました。
言うまでもなく、このころから日本のアメリカかぶれは絶頂に向かうわけで、実態は世代間格差ならぬ世帯間格差の拡大に向かうわけです。

世帯間格差なんてものは、社会の不安定をもたらす代表であって、新自由主義者の言い分も結局は「先行する者を追いかけて全員が努力するから全体が良くなる」でしたが、現実に起きた事は、先行者による遅行者からの収奪となりました。

わたしは「利益を上げても(実物)投資になるとは限らない」という当たり前のことになったと思っています。

まあ、金融資産以外のノウハウなどの評価を大きくする社会にしないと、ダイナミックで不安定な社会がますます加速し、最終的に安定性を失って破壊してしまうだろうと思っています。

そういう観点からは、金の移動する速度を積極的に落とすという政策も必要なのではない?と思い始めています。

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