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22/09/2009

消費者信用団体生命保険の悪用を防止することも,経済学者に言わせれば,「一段階論理の正義」として糾弾されてしまうのか

 池田信夫さんが次のようにつぶやいています

消費者信用団体生命保険を廃止して、連帯保証人の自殺が増えた。http://j.mp/1xOJvk RT @mikeexpo: 貸金業者が債務者に保険に入らせていた

11:26 AM Sep 21st Tweenで

 しかし,根拠は示されていません。金融庁が問題視したのは,

債務者が知らないうちに被保険者になっている、比較的少額で短期の貸付債権の回収のために保険が不当に利用されているといった指摘等がなされているところ

であり,これを受けて金融庁が取り組むことにしたのは,


  1. 「貸金業者が債務者等に対し保険金による債務の弁済を強要又は示唆するような言動を行うことは、「威迫」に該当することを明確化するため、事務ガイドラインを一部改正すること」

  2. 「保険会社等に対し、顧客が保険商品の内容を理解するために必要な「契約概要」と保険会社が顧客に対して注意喚起すべき「注意喚起情報」に整理のうえ、顧客に対しわかりやすく説明することを求めているところです。このような取組みを消費者信用団体生命保険を含む団体保険についても徹底するよう文書により各保険会社に要請」すること


の二つです。これに伴い,社団法人生命保険協会は,「消費者信用団体生命保険の実務運営に関するガイドライン」を定めたわけですが,そうしたら,ほとんどの消費者金融業者が消費者信用団体生命保険への加入手続きを中止することになりました。「消費者金融業者が借主に無断で借主を被保険者とする消費者信用団体生命保険に加入した上で,その借主が借金を返済できなくなった場合に,貸金業者が債務者等に対し保険金による債務の弁済を強要又は示唆するような言動を行うこと」が禁止されるのであれば,消費者信用団体生命保険に加入する理由はないということだったのかもしれませんし,そこのところはよくわかりません(住宅ローンや事業資金融資などでは,この種の信用団体生命保険はなおも生きているのですが。)。まあ,「消費者金融業者が借主に無断で借主を被保険者とする消費者信用団体生命保険に加入した上で,その借主が借金を返済できなくなった場合に,貸金業者が債務者等に対し保険金による債務の弁済を強要又は示唆するような言動を行うこと」を禁止するのは「一段階論理の正義」であって許されないという方も,経済学者の中にはいらっしゃるかもしれませんが,ごくごく一部の新自由主義者以外には受けが悪いのではないかと思います。

 さらにいうと,上記のような消費者信用団体生命保険の運用実態が問題視されたのはいわゆる消費者金融関係ですが,一般に消費者金融系は連帯保証人をとらない場合が多いです。連帯保証人を連れてこないと融資を受けられないということになると,敷居が高くなってしまいますから。連帯保証人をとるのは,商工ローン系や住宅ローン系など,「気軽」に受けるってわけではない融資に多いです。従って,「連帯保証人の自殺が増えた」ことを示す統計があるのか寡聞にして存じませんが,仮にあったとしても,それが,消費者金融において消費者信用団体生命保険が利用されなくなったこととどれほど因果関係があるのかというと,大いに疑問を禁じ得ないところです。

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