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10/10/2009

褒美銀と公開処分の差

 目安箱を設置した徳川吉宗は,その目玉政策である緊縮財政政策を通説に批判する上書を目安箱に投じた山下幸内を処分するどころか,同人に褒美銀を与えました。吉宗は,結局その上書に記載された内容を政策に反映させることはなかったのですが,幕府の政策を批判する上書を目安箱に投じても処罰されないのだということを広く知らせることが,この種の「広く下々から意見を集めるシステム」を適切に運用するためには不可欠だということを知っていたのでしょう。

 ところで,橋下徹大阪府知事は,同知事が大阪府の全職員向けに送付したメールに反論した職員の処分を人事担当者に指示したと報じられています。橋下知事は,表向きは,自分に対する批判も歓迎するとして,全職員に自分のメールアドレスを公開してメールでダイレクトに自分に意見を具申するように求めてきたことになっていますが,実のところ自分に対する批判は歓迎しておらず,その通り批判のメールを送ると処分されるということを今回の件で示してしまったわけです。

 処分の表向きの理由は「物言いが逸脱している」というものですが,報道等で引用されている文言を見る限り,言葉遣いそれ自体が上司に対するものとして一般的に許容されている範囲を逸脱しているようには思われません。内容的にも,橋下知事によるメールの内容の方が非常識であって,業務用のメールでそのような非常識なメールを読ませようとする(組織トップから社内LAN経由で送付されてきたメールであれば,職員は,忙しくともそれに目を通さざるを得ません。)ことを批判するのは,部下としてはあっぱれな姿です。

 橋下知事は何かというと「民間ではあり得ない」といって府職員を批判しているようですが,橋本知事の,部下を貶める,その姿を外部の人に見てもらうことにより自分の人気を高めていこうという姿勢自体が,真っ当な民間企業ではあり得ない類のものです。橋下知事が,大阪府の破産管財人ではなく,更生管財人を目指すのであれば,その道のプロである増岡章三弁護士に,更生会社の従業員の取り扱いについてアドバイスを受けた方がよいように思われます。

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Voici les sites qui parlent de: 褒美銀と公開処分の差:

» 橋下氏のメールで激怒事件に思う [文理両道]
 大阪府の橋下知事が、知事メールを批判した保健所勤務の40歳代の女性職員を厳重注意処分にするそうである。 反論メールの職員を処分 橋下知事「物言い非常識」(朝日新聞) - goo ニュース  ことの始まりは、利水からの撤退した紀の川大堰(和歌山県)に関して、府の損失が386億円にも上ったのにも関わらず、府の幹部が議会で原因を淡々と説明するだけだったことについて立腹した橋下氏が、知事メールに「何事もなかったかのよう。給料が保障される組織は恐ろしい」と書いて全職員に送付したことによる。  これに対... [Lire la suite]

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