発言の匿名性を守りたい人こそがすべきこと
ネットでの匿名発言の価値を貶めているのは,発言の匿名性を濫用して私的制裁等に利用している人たちと,それを黙認し容認しているネットサービス提供者です。だから,ネットでの発言の匿名性を守ろうと思ったら,むしろ,ネットサービス提供者に対し,匿名性の濫用を規制しまたはその濫用により第三者に生じた損失を補償するシステムを採用するように突き上げを行うべきなのです。しかし,ほとんどの匿名性擁護論者は,ほぼ一様に,被害者にその被害を甘受することを求めるのみです。これこそが,「匿名・実名」論争が何度も繰り返される理由です。表現の匿名性が高く保障され続ける状況下で,匿名性を濫用して他人に私的制裁を加えた者が相応の責任を負う社会が実現する可能性が全く見えてこないのです。
そういう意味では,発信者情報開示請求訴訟で敗訴してもこれに従わない西村博之さんに抗議すべきは,匿名発言の価値を認めてもらおうという人々の側なのです。あるいは,特定人についての中傷発言が多数投稿されているスレッドの続編となるスレッドの新規立ち上げを制約したり,中傷コメントの連続投稿を行う利用者についてそのアクセスプロバイダに通知して警告文の送付ないしネット接続理由の一時停止などの措置を講ずるように求める等の行動をとるように2ちゃんねるの運営スタッフに要求すべきは,匿名表現の自由を守りたい人々の側なのです。
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