« 法律扶助額(公費)の少なさ | Accueil | 自動応答とml »

30/12/2009

諸外国の大学教授の給与水準

 日本の大学教授の給与水準を引き下げると「頭脳流出」してしまうと騒ぐ人たちがいます。

 ただ、European University Instituteが公表する「Careers by Country」を見る限り、諸外国における大学教授(Full Professor)の給与水準って、日本と比べて高くはないようです。

 米国ですら、Full Professorの平均年収が115000 $(1$=92円換算で約1060万円で、日本よりやや低い程度)です。仏国では、Normal ClassのLast Stageで月4,305ユーロ(1ユーロ=132円換算で約57万円)です。 Full Professorのスタート時は2940ユーロ(約39万円)です。独国では、Full ProfessorのGross monthly salaryが約4724ユーロ(約62万円)です。比較的給与水準が高い加国ですら、月7145ユーロ(約94万円)で、やっと日本とどっこいどっこいです。でも、「頭脳流出」を心配するほど、日本の研究者を受け入れるキャパシティが加国にあるのかというと、かなり疑問です。

 あるいは、理工系等については普遍的であるが故に「頭脳流出」を防ぐための給与水準の維持が必要だとしても、経済学部等の文科系学部についてはその心配はほぼいらないので、その給与水準を戦略的に引き下げても何の問題もないと言えそうです。経済学なんて、「マンキューの教科書を読め」で足りる程度の学問であるならば、「マンキューの教科書」を上手に翻訳できる人が数人いれば足りるのであって、それは平均年収1100万円も支払うに足りる仕事でもなさそうです。

« 法律扶助額(公費)の少なさ | Accueil | 自動応答とml »

Commentaires

L'utilisation des commentaires est désactivée pour cette note.

TrackBack


Voici les sites qui parlent de: 諸外国の大学教授の給与水準:

« 法律扶助額(公費)の少なさ | Accueil | 自動応答とml »

octobre 2017
dim. lun. mar. mer. jeu. ven. sam.
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31