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09/12/2009

賃金を労働生産性に見合う水準まで引き上げないといけないのでは?

 池田信夫さんが相変わらず次のようなことを述べています。

グローバル化による相対価格の変化は、90年代から続いている現象だ。日本の1/10の賃金で働く中国の労働者が生産すれば、衣類のような労働集約的な製品の価格が1/10になるのは当たり前である。その対策も長期的には、賃金を労働生産性に見合う水準まで下げるしかない。それには労働市場の改革によって人材を再配分する必要がある。

 常識的に考えれば、賃金水準が下がれば需要の原資が減少するので、更にデフレが進行するでしょう。さらに労働者の賃金引き下げでは対応できないほどに需要の原資が減少してしまった場合(原材料やエネルギーの多くを輸入に頼っている我が国では、それらの国際取引価格によって、物価が下方硬直します。)、消費量自体を減少させなければならなくなります(簡単に言うと、下々は飢えるということです。)。

 そもそも論をいえば、日本の労働者は、総体的に見れば(もちろん、個別的に見れば、一流ではない経済学系の大学院の教員のように、顧客に与える付加価値に見合わない高禄をはんでいる人はいると思いますが。)、労働生産性に見合う水準まで賃金をもらっていないからこそ、日本企業は巨額の外貨を手に、何度もマネーゲームを繰り返すことができたわけです(そして、日本企業の多くは、マネーゲームに失敗することによって、労働者が創出した富の多くを、主として外国企業にくれてやったわけです。)。

 池田さんの提言に政府が従うときは、日本の労働者が生み出した富が更に、主として米国に流出することでしょう。

 そういえば、池田さんは「みんなの党」を高く評価していたのでしたっけ。

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