上武大学では、ドイツやオランダは社会主義国であると教えているのでしょうか?
池田信夫さんは、「アゴラ」という、その名前とは裏腹に池田さんのお気に召さない意見はコメント欄から排除されトラックバックも受け付けられないネット空間において、次のように述べています。
その典型が、民主党政権が来年の国会に出そうとしている公開会社法である。これは連合が求めている「労働者参加」を法的に義務づけ、日本を資本主義から社会主義に変える法案だ。このような時代錯誤の法案が21世紀になって出てくるのは、日本が社民党政権で痛い目にあった経験がないからだろう。
しかし、労働者代表の経営参加は既に、EU会社において義務づけられていますが、一般にEUは社会主義経済をベースとはしていないと考えられています。しかも、EUの「欧州会社への労働者の関与に関する指令」が成立したのは2001年10月です。すなわち、「時代錯誤」どころか、極めて21世紀的な考え方だということができます。
しかも、民主党の提案は、労働者代表を監査役の一員とするという穏当なものでしかありません(「監査役」の法的権限を知らずに、会社法を語る経済学者がいるとは信じたくありません。)。濱口先生の報告によれば、ドイツでは、労使の代表者からなる経営評議会に「人事管理、教育訓練、労働時間、解雇など労働関係の広範な分野」に関する共同決定権があるとのことですし、また、オランダの従業員協議会の権限は、オランダのホイセン法律事務所のニールズ・ファン・ヘルダーさん=山田千鶴子さんがこちらで開設されるとおり、かなり強力です。
そして、ドイツもオランダも社会主義を採用していると一般には評価されていません。
池田さんは、
「私は株主至上主義だ」とか「私は市場原理主義だ」と自称する人はいないので、そういうレッテル貼りで議論するのは非生産的。藤末さんの議論は、出発点が間違っていると思います。 http://bit.ly/4P4X0k
とつぶやいたようなのですが、池田先生ほどは労働者を敵視していない見解に「社会主義」とのレッテルを貼って議論をするのは非生産的なのでやめた方がよいと思います。
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