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21/03/2010

電子書籍の普及に向けた官民共同の懇談会

 総務、文部科学、経済産業の3省は3月17日に、都内で電子書籍の普及に向けた官民共同の懇談会の初会合を開いたとのことです。

 そこでは、

電子書籍の形式は各メーカーが定めており、共通のルール、規格がない。端末ごとに読める書籍が限定されるほか、「資本力で勝るメーカーに規格決定の主導権を握られると、出版関連業界は中抜きにされる恐れがある」(総務省幹部)との指摘がある。出版物の管理コードにあたる「書誌データ」も統一規格がなく、一連の基礎的な環境整備が検討課題になる。

ということがテーマになったようです。規格決定の主導権を誰が握ろうとも出版関連業界が中抜きにされることは避けがたいと思いますが、その点を除けば、特に目の敵にされるような話ではないように思います。

 楠さんは電子書籍の相互運用性は原則として民民で市場を通じて勝負をつければいいのであって、フォーマット共通化で役所が前に出て何ができるのか。おっしゃるけど、米国で事実上デファクト・スタンダードしつつあるePubを、漢字、縦書き、ルビ等の日本語仕様に対応するePub2.0へとバージョンアップさせるためには、日本国内の1企業が旗を振ったって始まらないし、まして国内で複数の企業がばらばらの要求事項をIDPFに要求しても始まらないので、政府主導で要求事項を取りまとめるということは相応の意味があるように思います。どうせなら、中国、韓国、台湾とも共闘を組んだ方が、ePub2.0へのバージョンアップをしようと考えるインセンティブを強化するのではないかとも思いますが(この4カ国が集まると、市場規模が大きいので。)。

 青木理音さんは、

日本だけでしか流通しない独自規格を官民で整備したとして、それが誰にメリットになるのだろう。Amazon, Apple, Googleなど先進的な企業が競争した結果生き残る規格に日本発の規格が競争できる訳はないので、国外展開は絶望的だ。当然、電子書籍の流通やリーダーなどに関しても取り残されるだろう。消費者にとっても海外で使われている優れた規格が日本では利用できないという結果になりはしないだろうか。

述べているのですが、「Amazon, Apple, Googleなど先進的な企業が競争した結果生き残る規格」をそのまま利用するだけだと、日本語書籍としての表現可能性が相当損なわれてしまいますので、却って書籍の電子化が進まなくなりそうな気がします。「馴れの問題ではないか」というご意見もおありかもしれないけれども、分野によっては縦書きでないとうまく表現できないこともしばしばあるし(例えば、漢文を引用する必要がある場合)、経済効率性のみで割り切るわけにもいかないのだろうなあと思ってしまうのです。

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