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25/04/2010

養子縁組してまで子ども手当を受給するのは結構大変。

 ゼノフォビアな人たちは、子ども手当についても、デマを流布しているようです。

 日本に住む外国人が外国に居住する多数の子どもたちと養子縁組を結び、巨額の子ども手当の受給申請をすれば、政府はこれに応じざるをえないはずだというのがその典型です。果たしてそんなことがありうるのでしょうか。

 まず、子ども手当の根拠法令を見てみましょう。子ども手当の根拠法令は、「平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律」です。その第4条第1項は次のように定めています。

第四条 子ども手当は、次の各号のいずれかに該当する者が日本国内に住所を有するときに支給する。

 一 子どもを監護し、かつ、これと生計を同じくするその父又は母

 二 父母に監護されず又はこれと生計を同じくしない子どもを監護し、かつ、その生計を維持する者

 三 子どもを監護し、かつ、これと生計を同じくするその父又は母であって、父母に監護されず又はこれと生計を同じくしない子どもを監護し、かつ、その生計を維持するもの


 すなわち、子ども手当の支給を受けるためには、日本国内に住所を有しかつ「子ども」を有するだけでは足りず、さらにその「子どもを監護し、かつ、これと生計を同じく」していることが必要となります。従って、外国に居住する子どもと養子縁組を結んだというだけでは、子ども手当の受給要件を満たしません。

 厚生労働省雇用均等・児童家庭局長の都道府県知事あての平成22年3月31日付の「平成22年度における子ども手当の支給に関する法律等の施行について」と題する文書によれば、ここでいう「監護」とは「子供の生活について通常必要とされる監督、監護を行っていると社会通念上考えられる主観的意思と客観的事実が認められること」をいうとされています。同様に、ここでいう「生計を同じく」するとは、「子どもと養育者との間に生活の一体性があること」をいうとされており、必ずしも同居を必要としていないものの、「勤務、就学、療養等の事情により、別居し、日常の起居を共にしていないが、別居の事由が消滅したときは、再び起居を共にすると認められ、かつ、子どもと養育者との間で生活費、学資金、療養費等の送金が継続的に行われている場合」がこれに当たるとされています。

 そして、厚生労働省は、これを受けて「『平成 22 年度における子ども手当の支給に関する法律における外国人に係 る事務の取扱いについて」のポイント』というガイドラインを作成し、


  1. 監護については、少なくとも年2回以上子どもと面会が行われていることとし、これをパスポートにより確認すること

  2. 親と子どもの間で生活費、学資金等の送金が概ね4ヶ月に1度は継続的に行われていることを銀行の送金通知等により確認すること

  3. 勤務等の別居の事由が消滅したときは再び起居を共にすることが必要であるという取扱いを徹底し、来日前は親と子どもが同居していたことを居住 証明書等により確認すること

などとしています。

 従って、50代とみられる男性が窓口を訪れ、妻の母国・タイにある修道院などの子ども554人と養子縁組していると説明しても、上記ガイドラインを満たさないことは明らか(来日前は親と子どもが同居していたことを居住 証明書等により確認することまでは無理。)ですから、子ども手当の受給申請がはねられるのは当然のことです。

 毎日新聞によれば、この男性は、子どもへの送金証明や面会を裏付けるパスポートのコピーなど外国人に求められる書類をそろえていたとのことです。しかし、仮に面会くらいはしていようとも、修道院がこれらの子どもを孤児としていまだ引き受けている以上、子どもを「監護」しているのは修道院なのでしょう。また、「生計を同じく」していると認められるには、わずかでも送金しておけば足りるというものでもなく、社会通念上「生計を同じく」していると認められるだけの送金を「養子」に対し行っていたのでは元が取れなくなるように思われます。

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