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20/11/2010

新聞社は新聞広告を出さない修習生には冷たい

 日経新聞の論説委員様は、司法修習生の給費制が1年維持されることにお冠のようです。

 給費制には年間約100億円の国費が要る。同じ司法予算で、資力のない人を援助する民事法律扶助事業に今年度支出した87億円よりも大きい額だ。最高裁によると、新修習生の約15%は貸与を申し込んでいない。修習中の生活を自分でまかなえる人が結構いるのではないか。経済的に余裕のある人たちにまでお金を出すのは、おかしい。

 厳しい財政下、給費制復活に動く各党議員は限られた予算の使い方をもっと真剣に考えてもらいたい。


 まず、司法修習生は約2100人とのことなので、年収300万円として、必要な国費は63億円ではないかという気がします。まあ、10億の位を四捨五入すると、約100億円とはなりますが。で、その額が民事法律扶助予算と比べて大きいからけしからんという論理はアクロバティックに過ぎます。若手法曹が多額の借金を抱えていたら、少し食らう予算を増やしたところで、法律扶助事件などできなくなるのですが(そんなことやっていると借金で首が回らなくなるという意味で。)。そういう意味では、「法律扶助を活用して広く国民が法律サービスを受けられる」ようにすることを目指すのであれば、「給費制を維持しつつ、法律扶助予算も拡大する」のがベストです(財源ですか?法科大学院制度を廃止すればOK!。まあ、法科大学院からの広告費を当てにしている新聞社には飲めない話かもしれませんが。)。

 さらに、「修習中の生活を自分でまかなえる人が結構いるのではないか」っていわれても、1年分の生活費を法科大学院在学中、あるいは、司法試験受験期間中のアルバイトで貯蓄するというのは原則考えがたいので、貸与を受けずに生活できる人がいるとすれば、それは「親御さんから生活費を出してもらえる人」に限られるでしょう?そんなごく一部の恵まれた人(って感覚が日経新聞の論説委員にはたぶんないのでしょうね。20代後半を過ぎた子どもの生活費を丸抱えするなんて何の苦にもならない特権階級に囲まれて生きているので。)にあわせて制度設計するのって、間違っていると思わないですかね。

 司法制度改革の狙いは社会に法の支配を行き渡らせることにあり、法曹人口の劇的拡大はこの目的を実現するのに必要な条件だ。給費制が復活すれば、計画通りに増えていない司法試験合格者の数が、財政の要請で頭打ちになる恐れが生じる。

 法曹人口を劇的に拡大したければ、新規法曹になろうという人たちに過大な経済的負担をかけるべきではない、というのが普通の考えなのではないかと思うのですけどね。ハイコスト、ローリターンな仕事に優秀な人材は集まらない、っていう程度の当たり前の話を理解していない人たちが「経済」を全面に押し出す新聞社で論説委員をやっていられるって、いいなあ。

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