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04/10/2017

零からの憲法草案(2)

 まずは、国民主権の原則と、主権者たる国民に関するルール、そして主権者たる国民の象徴に関するルールを第1編で規定してみることにしましょう。

 現行憲法の問題点の一つとして、主権者たる国民の範囲を、国会が法律によりコントロールできるということがあります。なので、国民たる資格(国籍)を当然に取得できる要件については、憲法で定めることとした方が良いでしょう。

 主権者たる国民の象徴として一定の儀式を担当する役職を、世襲によるものとするべきか、選挙で選ぶべきかについては、様々な議論があると思いますが、それって憲法で一義的に定める必要があるかと言えば疑問なので、デフォルトでは、昭和天皇の子孫が世襲できることとしつつ、その仕組みを国民投票で変えられるようにしてみました。なお、現行憲法の問題点の一つとして、皇位継承権者が全くいなくなったときにどうしようもなくなると言うことがありますので、その場合には、さっさと大統領を選んでしまえるようにしてみました。

 また、現行憲法では、天皇の国事行為は全て内閣の助言と承認に基づいて行うことになっているのですが、どうせ自由裁量の余地はないのですから、それぞれの機関ないしその長が指名なり指示をすればいいということにしました。

 なお、「国会の指名に基づいて、最高裁判所の裁判官及び最高裁判所の長たる裁判官を任命すること」としてあるのは、最高裁の裁判官については、国会承認人事にすべきではないかと考えているからです。

 また、天皇や皇族にも基本的人権があるという考えに立った場合、これを制約する根拠が憲法上に規定されている必要があります。移動の自由、職業選択の自由、営業の自由、政治活動の自由、政治的表現の自由は、象徴としての職務との関係では、制約をされざるを得ないかなと思いました。

第1編 主権
第1章 国民主権
(国民主権)
第1条 日本国の主権は、国民に帰属する。
(権力の信託)
第2条 主権者たる国民は、公共の福祉を増進させるために、この憲法に定める限度で、各国家機関に権力の行使を委託する。
2 主権者たる国民は、地域の自律的な発展を促すために、この憲法に定める限度において、各地方自治体に、当該地域における権力の行使を委託する。
第2章 国民
(国籍の取得)
第3条 出生時において父母の双方またはいずれか一方が日本国籍を有していた者は、当然に日本国籍を取得する。
2 出生時において父母の双方またはいずれか一方が適法な在留権限をもって日本国内に居住していた者は、その当時父母の双方が日本国籍を有していなかった場合であっても、当然に日本国籍を取得する。
3 出生後に生じた事由により日本国籍を取得するための要件は、法律で定める。
(国籍の喪失)
第4条 何人も、その自由意思に基づき、日本国籍を放棄することができる。
2 国民が国籍を放棄するための要件は、法律で定める。
3 何人も、その意思に反して、日本国籍を剥奪されない。ただし、日本国籍を有する者が、その自由意思に基づいて他国の国籍を取得した場合は、この限りではない。
(多重国籍)
第5条 日本国籍を有する者は、他国の国籍を併有することを理由として、法的に不利に取り扱われない。
(有権者団としての国民の権利)
第6条 満18歳以上の国民は、この憲法または法律にて定める選挙および国民投票において、等しく票を投ずる権利を有する。
第3章 主権者たる国民の象徴
(天皇)
第7条 天皇は、主権者たる国民の象徴として、国民のために、この憲法に定める限度において、儀礼的な行為を行う。
2 天皇の地位は、昭和天皇の子孫により世襲される。その継承順位は、法律で定める。
3 天皇は、その職務の一部を、天皇の地位の継承順位の定まっている者に分担させることができる。
(大統領)
第8条 天皇の地位を継承する者が存しなくなった場合または国民投票により天皇を主権者たる国民の象徴としない旨を決定した場合、選挙にて選ばれた大統領が、主権者たる国民の象徴として、国民のために、この憲法に定める限度において、儀礼的な行為を行う。
2 大統領の任期は、5年とする。
3 大統領を選ぶ選挙は、最高裁判所長官がこれを施行する。
(摂政等)
第9条 最高裁判所長官は、天皇がその職務を怠り、または職務を行えなくなったときは、職務を行える者の中で最も天皇の地位の継承順位の高いものを摂政に選任し、天皇の職務を代行させることができる。摂政がその職務を怠り、または職務を行えなくなったときも同様とする。
2 最高裁判所長官は、大統領がその職務を怠り、または職務を行えなくなったときは、大統領を解任し、新たな大統領を選ぶ選挙を行うことができる。この場合、新たな大統領が選任されるまでの間、大統領の職務は、最高裁判所長官が代行する。
(象徴の職務)
第10条 天皇ないし大統領が、主権者たる国民の象徴として行う職務は下記のとおりである。
一 国会の指名に基づいて、内閣総理大臣を任命すること。
二 国会の指名に基づいて、最高裁判所の裁判官及び最高裁判所の長たる裁判官を任命すること。
三 衆参両院議長の指示に基づいて、法律及び条約を公布すること。
四 衆議院議長の指示に基づいて、衆議院を解散すること。
五 選挙を行う議院の議長の指示に基づいて、衆議院または参議院の議員の選挙の施行を公示すること。
六 内閣総理大臣の指示に基づいて、国務大臣を任免すること。
七 内閣総理大臣の指示に基づいて、政令を公布すること。
八 内閣総理大臣の指示に基づいて、法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
九 内閣総理大臣の指示に基づいて、批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
十 内閣総理大臣の指示に基づいて、外国の大使及び公使を接受すること。
十一 内閣総理大臣の指示に基づいて、儀式を行うこと。
(人権等の制限)
第11条 天皇または大統領は、内閣総理大臣の指定する居宅に居住し、宿泊を伴う移動をする場合内閣総理大臣の同意を得なければならない。
2 天皇および天皇であった者、天皇の地位の継承順位の定まっている者、大統領、大統領であった者ならびにそれらの者の配偶者は、その職務を行うのに必要な限度においてこの憲法に定められた諸権利を制約されるとともに、以下の権利を制約される。
一 この憲法に定める選挙および国民投票において投票する権利
二 他の公務員に就任する権利
三 政治的に中立的な学術的または公益的団体として法律に定めるものを除く団体の役員または構成員、従業員となる権利
四 その他政治的中立性を欠くものとして法律で定める行為をする権利
(天皇等の報酬)
第12条 天皇または大統領は、その就任期間中、法律で定める額の報酬を国庫から受ける権利を有する。
2 天皇または大統領であった者、ならびに天皇の地位の継承順位の定まっている者は、その地位に相応しい生活をするに十分な金銭給付として法律で定める額を国庫から受ける権利を有する。

(続く)

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