07/12/2015

ブロックリストの使用は「民主主義の敵」か

 SEALDsのメンバーたる学生に対して、「ブロックリスト」を使用していることをもって、「民主主義の敵」などと糾弾する弁護士が一部いるようです。

 しかし、民主主義社会においてその主張を国政に反映させるにあたっては、全ての有権者にその主張に賛同していただく必要はありません。衆参議院の議員の各過半数の賛同を得ればその主張が国政に反映する可能性が高まりますし、現在の議員構成ではその見通しが立たない場合であっても、その主張に賛同する人々が次の選挙において過半数当選することになれば、その主張が国政に反映する可能性が高まります。このためには、国会議員または国会議員になろうとする人々に対する働きかけと、広く有権者に対する呼びかけを行うことが必要となります。逆に言えば、このような働きかけ等をしてその主張を国政に反映させようとする限り、民主主義的手法による政策実現を目指していると言うことができます。

 では、このようにして特定の政策を国政に反映させようとする集団において、その政策に賛同していない大衆をどのように扱う必要があるでしょうか。

 「ブロックリスト」を使用しただけで「民主主義の敵」とまで言い切ってしまう方々は、そのような集団に属する人々は、これに反対する声をすべて受け止め、賛成へと転換させるべく直接的に働きかけるべきという前提に立っているように思われます。あるいは、さらに、反対者を説得できない以上、その政策には誤りがあり、したがって主張を取り下げるべきとまで考えているのかもしれません。

 確かに、自分たちの主張に異を唱えてくる人たちすべてに丁寧に応対し、その考えを改めさせるというのは理想的な姿ではあります。しかし、そうしない限り「民主主義の敵」との評価を甘受しなければならないかは疑問です。

 まず、人的リソースの問題があります。一対多という方向で政治的意思表明をすることと、多対一の意思表示を受け止めることとは、必要とされる人的リソースが格段に異なります。後者に対応できる人的リソースを確保できないのであれば前者の方法による政治的意思表明をするなと言うこととなれば、前者の方法による意思表明をできる人々は、後者に必要とされるリソースを割くことができる、ある程度大きく、組織だった集団に限られてしまいます。

 つぎに、精神的ダメージという問題があります。残念ながら、今の日本では、自分と異なる政治的意見を表明する人たちに対しては何をしてもよいという考え方が広くはびこっており、匿名性が広く保障されていることにより、そのような考えに基づく行動に歯止めがかからない状況に陥っています。このため、一定の政治的意思表明をすれば、これに反対する人々から、止めどもない悪意を込めた通知が執拗に送りつけられることとなります。そして、そのような執拗な悪意に晒されてもなお精神の健全さを維持できる強い人間ばかりではありません。したがって、特別でない人々が政治的意思表明をするためには、執拗な悪意を遮断するシステムが必要です。

 さらに、効率性という問題があります。一対多という形で向けられた意思表明に対して多対一という形で向けられた反論には、読むに値するレベルに到達しているものがそれほど多くはなく、かつ、同じような内容のものが多く含まれることが多いことが経験的に知られています。そのような反論を送りつける側はそれぞれ1通ないし少数通しか反論を送っていないとしても、送りつけられる側としては同じような内容の反論を膨大な数送りつけられることになるので、それら全てに目を通すことは非効率的です。一切の効率性を追求したら「民主主義の敵」か?──もちろん、そんなことはありません。

 そして、Twitterの構造を考えれば、さらに次のようなことが言えます。

 一対多に向けて特定の政治的意思表明をしたに過ぎない人が、これに対するTwitterを利用した多対一の反論を一切ブロックしなかった場合、関連ツイート欄がそのような同種内容の反論ツイートで埋まる危険があります。そのような場合、本来関連ツイート欄を見てアクセスすることとなったはずの自分宛のツイートを見逃す危険が高まるなど、その本来の使用に則った利用を十全に享受できなくなる虞がありますので、これを回避しようとすることは当然です。

 また、同種の政治的意思表明をした人に対して愚鈍な反論ツイートをぶつけてきた人が自分に対して送りつけてくる反論ツイートは同様に愚鈍なものである蓋然性が高いと言うことは経験則上も言えるわけです。したがって、あるアカウントがそのような反論ツイートを送りつけてくる人のものであることが分かった時点で、同種の政治的意思表明をしている人が予防的にそのアカウントをブロック対象とすることには、合理性があります。だとすれば、ある種の政治的意思表明をしている人々に対して愚鈍な反論ツイートを送った人々のアカウントをリスト化して、同種の政治的意思表明をしている人々の間で共有化することも又合理的だと言うことになりますし、そのようなリスト化作業をボランティアでやってくれている人がいるのであればこれを利用することも合理的だと言えます。

 もちろん、そのような第三者が作成したリストを用いて予防的にブロックをする場合、その第三者が過剰にリストアップをしてしまったとき、愚鈍な反論ツイートをする蓋然性の低い人々まで予防的ブロックの対象としてしまい、本来聞くべき反論を聞かないことになってしまうリスクはあります。ただし、本来聞くべき反論というのは、一対多の意見表明としても良識的な多数の人々に受け入れられるべきものですから、自分に対する関連ツイートとしてそれを読まなくても、回り回ってそれを聞く機会が生ずることが期待できます。したがって、リスクとベネフィットを天秤にかけて、そのようなリスクを負ってでも、第三者が作成したブロックリストを使用するという選択をすること自体は合理的であって、「民主主義の敵」と呼ばれるに値しないと言いうると思います。

26/09/2015

「一般国民の多く」が示すもの

 「モトケン」こと矢部善朗弁護士(元創価大学法科大学院教授)が

安保法制の整備が必要だとすれば、政府提案の法案のどこが違憲であり、それを合憲にするにはどうすればいいかという議論が、当然なされるべきだと思う。

述べたのに対し、私が、

そもそも多くの国民が自ら戦地に行く気がない現状のもとで、それを合憲にするためにどうすればいいかを提案する必要はありませんね。

言及したところ、

小倉弁護士は、安保法が一般国民の多くを戦地に送り込む法律だ理解しているようだが、安保法のどの条文をどう読むと小倉弁護士のような理解になるのだろう?

という不思議な反論を受けてしまいました。

 しかし、私の上記発言のどの文言をどのように理解したら、私が安保法が一般国民の多くを戦地に送り込む法律だ理解していると理解できるのか、皆目見当がつきません。そこでは、戦地に送り込まれる一般国民の人数ないし規模について直接的な言及がなされていないことはもちろん、間接的にこれを示唆する文言等すらないからです。そして、論理的にも、戦地に送り込まれるのが一般国民のうちのごく一部であっても、我こそ戦地に赴かんという一般国民がごくわずかしかいない状況下においては、敢えて憲法に反することなく一般国民を戦地に送り込む方法を考案し、提唱する必要性など誰にもないことは明らかです。一般国民の多くが戦地に送り込まれるというものでない限り、一般国民を戦地に送り込む法案が憲法に適合するように、敢えて苦心する必要なんてどこにもないのです。

 弁護士であり、ほんの少し前まで法科大学院の教授をしていた人物が、「『一般国民』『多く』『戦地』『送り込む』という単語さえ共通していれば、自由にこれを組み替えて相手の文章を理解することが許される」と思っているとは信じたくないところではあります。さらにいえば、矢部弁護士といえば、コメントをその文言通りに読み取った上でこれを批判する行為について、

論者の真意を確かめないで決め付けるのであれば、揚げ足取りとしか言えない主張です。

とか

形式論理を用いて自分に都合がいいようにだけ解釈するというのは、単に攻撃または批判のための主張であって、建設的でもなければ相互理解に役立つこともないでしょう。

とまでおっしゃっていたわけで、「先ず隗より始めよ」と言いたくなってしまいます

18/06/2013

Change.orgの仮名での利用の可否

 Change.orgという、インターネット上で広く署名を呼びかけ、特定のターゲットに送りつけるサイトがあります。これをJohn Lemonと名乗る人物が悪用したことが問題となっています。

 そもそも、このサイトのサービスを「John Lemon」というハンドルネームを用いて利用することはできるのでしょうか。もしそれができるとなると、特定のターゲットの業務用アドレスに大量のメールを送りつけるためにこのサービスが活用された場合に発信者情報開示請求を行いうるか微妙ですので、Change.orgというサービスは業務妨害に広く活用できることになりそうです。

 Change.orgの利用規約を見ると、

In consideration of your use of the Site, you agree to (a) provide accurate, current and complete information about you as may be prompted by any registration forms on the Site ("Registration Data")

と記載されています。登録用フォームにて要求されている個人情報については現在の正確な情報を入力することが要求されているということです。では、どのような情報の入力が要求されているのか、Change.orgの登録用フォームを見てみましょう。Form

 登録用フォームでは、Facebookアカウントを利用してログインする方法と、「個人としてアカウントを作」ってログインする方法と2通り用意されています。「個人としてアカウントを作る」場合には「姓」と「名」を入力することになっていますから、実名を用いるべきということになります。

 Facebookアカウントを用いてログインする場合、個人情報としてどのような情報を登録するかはFacebook側の利用規約に委ねられるということになります。そこで、Facebookの利用規約を見てみると、

Facebookでは、利用者に実名および実在の情報を提供していただいています。

と規定されており、こちらも実名を用いるべきということになっています(また、Facebookで「一般アカウント設定」画面を開くと、「名前を変更できるのは数回に限られていますので、本名を使用するようにしてください」との警告が表示されます。)。

 このように見てみると、本名を推知できないハンドル名を用いて「Change.org」を利用するというのは、そもそも規約違反の行為であるということができそうです。

05/02/2013

はてなとのやりとりのまとめ

 ここ数日のはてな株式会社とのやりとりをまとめてみました。

 2010/11/02

 「英語を各力を向上させたいという方のために家人が英語添削塾を開催しております。」という内容のエントリーがアップロードされる。同エントリーにて、「Paul Robson(ポール・ロブソン)教授」が講師として紹介され、「ロンドン大学ロイヤルフォロウェー校教授。ケンブリッジ大学で博士号取得後、ケンブリッジ大学のビジネススクールであるジャッジスクールにて研究員として応用経済学研究に従事する。」などの経歴が表示される。

 2011/09/28

 上記英語塾が話題となっていたので、「Paul Robson 教授」が実在するのかを確認する。その中で、ロンドン大学ロイヤルフォロウェー校のウェブサイトにおいて、このページを見つけたので、このページにはてなブックマークを付け、「メーロマさんの夫」というコメントを付ける。

 2013/01/23

 はてなスタッフの中川さんから、上記はてなブックマークコメントについて、「一般に公表していない配偶者およびその勤務先の情報を無断で開示するものであり、プライバシー侵害に該当する」として、谷本真由美さんから削除申立があったとの通知を受ける。「7日以内に削除あるいはご連絡をいただけない場合、勝手ながら弊社にて当該ブックマークをプライベートモードに固定するなど、送信防止措置をとることがあります。」とのこと。

2013/01/23

 はてなの中川さんに返信メールを送る。

http://eigotoranoana.blog57.fc2.com/blog-entry-14.html

というブログのソースとスクリーンショットを添付させていただきます。
このブログの左側のカラムの「follow me on Twitter」という文字列から「http://twitter.com/May_Roma」にリンクが貼られていますので、このブログは「May_Roma」さんによって開設されたものと見て良いかと思います。

そして、エントリーを見ますと、

「英語を各力を向上させたいという方のために家人が英語添削塾を開催しております。
ご興味ある方参加してみてください」
とした上で、

「■講師略歴
Paul Robson(ポール・ロブソン)教授」

との表記がなされております。そして、そこでは続けて、
ロンドン大学ロイヤルフォロウェー校教授。ケンブリッジ大学で博士号取得後、ケンブリッジ大学のビジネススクールであるジャッジスクールにて研究員として応用経済学研究に従事する。アバディーン大学、ニューカッスル大学、ダーラム大学、ウェスタンワシントン大学(米国)、キングストン大学にて教鞭をとり主に大学院修士課程及びMBAにて研究手法、応用経済学、統計学、起業論、事業戦略論を担当する。英国中央政府の政策コンサルタントしても活躍している。趣味:HR/HM鑑賞、ウォーゲーム、庭仕事、計算。好きなバンド:Dio, Judas Priest, Iron Maiden, Whitesnake, Journey, Asia等

との記載があります。

http://pure.rhul.ac.uk/portal/en/persons/paul-robson(4f91ab2e-42fb-412a-9206-759dfd344d5b).html
によれば、Professor Paul Robsonは、University of LondonのRoyal Hollowayに在籍しており、上記エントリーに記載されている「ロンドン大学ロイヤルフォロウェー校教授」という記載と合致します。

「家人」という言葉は、「家の中の者」という意味があり、具体的には、配偶者を指す場合と、家来、召使いを指す場合とがありますが、ロンドン大学の教授が家来、召使いということは通常考えられませんので、配偶者という意味であると受け取るのが普通です。

つまり、Professor Paul Robsonさんが「メーロマさんの夫」であるという事実及びその勤務先は、May_Romaこと谷本真由美さん自身によって公表されているといえます。
との内容。

2013/01/31

 はてなの中川さんから、1月23日付でメールを送ったが、当該コメントの削除も行われていないし、削除についての説明もなされていないと言われ、「そのため、本日、送信防止措置としてご利用のはてなブックマークの公開を停止しました。ご了承ください。」と通告され、実際勝手にプライベートモードにされる。

2013/01/31

 はてなの中川さんに対し、「1月23日付でご回答申し上げておりますが、都合の悪い回答は見なかったことにするということでしょうか?」という返信メールを送る。

2013/02/01

 はてなの中川さんから、1月23日付の返信は受信できていない、再度送付せよとの要請を受ける。

2013/02/01

 はてなの中川さん宛に、1月23日付の返信メールを「転送」形式で再送信する(当然のことながら、元の返信メールのヘッダ情報まで送信されている。)。

2013/02/04

 はてなの中川さんから、「英国人大学教授である家人が添削をするとして優良顧客を集めている」との告知を行っているサイトURLを知らせろというメールが来る。その上で、そのような告知を行っているとしても、その人物が誰であるかといった情報が営業秘密に該当することもあるなどと一方的な見解を述べた上で、詐欺の疑いがあり、公開を行うことが公共の利益にかなうものであると考えているのであればその理由を知らせろと求められる。

2013/02/04

 はてなの中川さんに、回答期限内に反論をしたことが分かったわけだから、私のはてなブックマークを公開状態にまず戻すのが筋ではないかと通知する。

2013/02/05

 何の音沙汰もないため、はてなの中川さんに下記のメールを送る。


 回答期限内に反論をしたことが分かったにもかかわらず、また、本ブックマークコメントで摘示した内容が、本人が自ら公開した事実であり、かつ、本人が業として行っている行為の骨格をなす情報であることから、「プライバシー情報」でないことがはっきりしたにもかかわらず、私のはてなブックマークをなお非公開状態に置いておく理由について、御社の顧問弁護士のご見解をいただきますようお願い申し上げます。
 なお、リンク先に添削者の氏名及び所属、経歴が記載されていることは見れば分かることであり、当該事業者のブログエントリーに明記されている情報が「営業秘密」に属することはないと思われますが、御社としては、「そのような情報も営業秘密に含まれるので、そのような内容を摘示するコメントは許さない」ということであれば、この点についても、御社の顧問弁護士のご見解をいただきますようお願い申し上げます。

2013/02/05

 上記メールと入れ違い様に、はてなの中川さんからメールが届く。

 こちらの説明内容が確認できたとして、申し立て者に連絡の上ブックマークコメントの再公開を行ったとのこと

 中川さんは、私が送ったメールが何らかの理由でエラーメールとなっている可能性があるが、そんなものまで責任を負えないとして、1月31日に一方的に私のはてなブックマークコメント全体を非公開扱いにしたことについて、開き直りとも思える弁解をしています。ただ、エラーメールなら、私のところにエラーメッセージが届いているのではないかと思うのですが、今回そのようなものは届いていないのです。

 更にいえば、利用者からの返信がエラーメールとなっている可能性を考えたら、非公開扱いにする前にもう一度連絡を入れてもよいはずだし、私から、既に反論を送ったはずだとのメールを受けた時点で、一旦非公開扱いを取り消すくらいのことはすべきだったのだろうと思います。

17/11/2011

自炊用の電子書籍端末

 現在販売されている電子書籍端末についての一番の不満は、自炊データを閲覧することを想定したつくりになっていないということです。もちろん、PDFファイルを読み込んで表示できる機能というのは実質的に自炊データ用といえるのかも知れません。ただ、PDFデータが表示できれば、自炊データを閲覧するのに十分かといえばそうではありません。

 例えば、A4版の雑誌を図書館等でコピーし、そのコピーを持ち帰って自宅またはオフィスのスキャナでPDF化することを考えてみましょう。雑誌を文書コピー機でコピーする場合、通常、1枚で見開き2頁分をコピーすることになります。つまり、図1のようになるわけです。Photo現在、A4版見開き2頁、すなわちA3版をそのまま表示できる電子書籍端末は現在市販されていません。市販されたとしても、大きすぎて持ち歩く気になりません。もちろん、データを液晶サイズまで縮小して表示する機能を有している電子書籍端末は市販されています。しかし、A3版のデータをA5サイズまで縮小すると、文字は極めて小さくなり、とても読みにくくなります。

 したがって、見開き2頁を1枚にコピーした資料を自炊して電子書籍端末で閲覧するユーザーのことを考えたら、横長のPDFページの中央のページ境部分を解析してその左右を別ページとして認識し、表示する機能(図2)があると、自炊データ閲覧には便利です。Photo_2

 ただ、その場合、電子書籍端末が元の雑誌データと同じ大きさかまたは少し小さいくらいならいいのですが、大分小さいとなると、やはり相当縮小してデータを表示する必要が出てきます。A4版のデータを閲覧するのであれば、Kindleの9インチ版やiPadが限界かなあと正直思います。

Photo_3 それより小さい電子書籍端末の場合、更なる一工夫が必要だと思います。つまり、図3のように、見開き2頁を左右に分解した上に、さらに上下に分解して横長画面で閲覧をすることができるようにする機能があると、読みやすくなるのではないかと思うのです。

 もちろん、上下に分ける場合、通常中央に空白部分はないので、中央付近の5%分くらいは重複して表示するくらいの工夫が必要だと思いますが、そういう工夫さえできれば、A5サイズの電子書籍端末でも、A4サイズの雑誌等から自炊したデータの閲覧をストレスなく行えるようになるのになあと私などは思ってしまいます。

 あとは、サブディレクトリ表示ができる程度にまともなファイル管理システムを兼ね備えるとか、検索用のタグ付けをできるようにする等の工夫をすれば、大分真っ当になるのではないかと思います。

 どこぞのメーカーさんで作っていただけないですかね?


18/10/2011

GMO INTERNET GROUPあての意見書

 先ほどGMO INTERNET GROUPあてに以下の意見をお送りしました。

 御社のWhois Protect Serviceを利用しているユーザーの多くが、2ちゃんねるのミラーサイトを運営しているため、一度2ちゃんねるに名誉毀損コメントが投稿されると、そのコメントが御社の顧客のミラーサイトに転送されてしまいます。そうなってしまうと、御社のWhois Protect Serviceのせいで、転送された名誉毀損コメントの削除をどこに要求したらよいのかが分からなくなってしまいます。

 警察又は検察が動くまで御社を名誉毀損罪の共犯として刑事告訴し続けるという考え方もありますが、御社の誰かが処罰されることよりも被害者の一日も早い救済の方が優先されますので、せめて、実際に届くメールアドレスをwhoisデータベースに明記する、実際のドメイン保有者へのメール・書類の転送を行う等の妥協をしていただけないでしょうか。

 GMOは、そのサービスに伴う公害の除去に少しは目を向けるのでしょうか。

10/06/2010

テレビ局の公共性ゆえの営業の自由の制限

 前回のエントリーについて、次のようなはてなブックマークコメントが附されています。
Hatebook100609

 真ん中の3名はいつもの定常運転かなとも思えますので無視しても構わないのですが、ただ、一言言及しておくと、テレビ放送というのは、貴重な電波をテレビ局という私企業に独占的に使用させることにより成り立っているものであるが故に、テレビ局は、公共の福祉の観点から、営業の自由を相当程度制約される存在であるということを軽視すべきではないということです。

 実際、放送法第1条は、放送が国民に最大限に普及されて、その効用をもたらすことを保障すること。を放送に関する基本原則の第1に規定しています。ですから、放送事業者に対して、その放送内容を、世界中にどこにいてもリアルタイムで視聴出来る機会を設けることを免許の取得または更新の条件とする立法がなされたとしても、違和感を覚えずに済みます。むしろ、その本社のある都道府県以外の地域にも放送内容を伝達する技術的手段が既に実用化された以上、「放送対象地域」という概念は不要になったというべきでしょう。

08/06/2010

「TV5MONDE」がすごい

 フランスのテレビ局「TV5MONDE」がすごいです。

 日本向けに24時間ライブストリーミング+ビデオ・オンデマンドサービスを提供しています。まあ、有料ではありますが、月額1200円ですし、何にせよMacにもきちんと対応している点に非常に好感が持てます。ひかりTVオンリーのBBC NEWSやBBTVオンリーのCNNと異なり、ブロード回線の事業会社を選ばないし。しかも、番組によっては日本語字幕付き。インターネットにより情報が国境を超えるということにまた一歩近づいています。

 日本政府も、JAPAN COOLを目指すのであれば、このくらいのことはキー局に命じてもらいたいところです。

17/05/2010

「被害者がネット上で反論すればいい」などという世迷い言

 memo26さんは、その開設するブログで、次のように述べています。

 しかし、「法的に解決する」 必要性は、「つねにあるとはいえない」 と思います。
 要は、「被害者の救済」 が得られればよいのであり、救済の手段として、法的手段に固執する必要性はありません。ネット上で、匿名の情報発信者に対して反論すれば、事足りる場合も多いと思います。
 訴訟を提起すれば、裁判所が 「被害者であると主張する者」 の主張を無条件で認める、というのであれば別ですが、そうではなく、実際には、「被害者であると主張する者」 と、「ネット上で情報を発信した者」 とが、互いに、法廷で争うわけです。とすれば、「被害者であると主張する者」 が、法廷ではなくネット上で、反論すれば必要にして十分ではないか、と思います。
 どのみち、「被害者であると主張する者」 は、( 法廷で ) 反論しなければならないわけです。反論の場が、法廷であろうとネット上であろうと、大差ないのではないかと思います。

 まあ、脳天気に過ぎるご意見です。

 例えば、女子学生Aについて、その顔写真とポルノ写真とを合成したアイコラ写真が作られて画像掲示板に投稿され、かつ、その画像掲示板に投稿されたアイコラ写真にリンクをはる形で、女子学生Aが如何に性的に乱れた生活を送っているのかをまことしやかに摘示する投稿が匿名掲示板や女子学生Aの開設するブログのコメント欄に執拗に投稿されたというケースを考えてみましょう。

 この場合に、ネット上でどのような「反論」をすれば女子学生Aは救済されるというのでしょうか。

 あるいは、広告代理店に勤めるBについて、学生時代レイプを繰り返していた旨の投稿が執拗に匿名電子掲示板に投稿された場合はどうでしょうか。「それは事実無根だ」と抽象的に繰り返す以外に、どんな反論が可能でしょうか。

 情報発信者がどこの誰であるのかをわかっていてその者に対し民事訴訟を提起できる場合には、どんな資料に基づいてそのような事実を真実と信じるに至ったのかを情報発信者に問いただすことができます。しかし、ネットの匿名性を利用して誹謗中傷を行いまたはデマを流布する人々に、その発信する情報を真実と信ずるに至った資料の提出を求める手段はなく、任意に呼びかけても提出することはめったにありません。で、そのような資料が提出されなくとも、匿名で提供される「事実」を信じ込んでしまう人々は後を絶ちません。

 また、摘示事実が真実でないということを示すためには、個人のプライバシー情報や企業の営業機密を出していかなければならない場合もあります。訴訟であれば、記録の閲覧謄写制限の申立をするなどして、それが訴訟当事者と裁判所以外に漏れない形にすることが可能ですが、ネット上での反論を強いられるとなると、プライバシー情報や営業機密を全世界に晒すことが必要となってしまいます。

11/05/2010

繰り返される実名・匿名論争の中ではっきりしていること

 繰り返される実名・匿名論争の中ではっきりしていることは、ネット利用者の匿名性を維持したままで使用可能な、ネット上での紛争を法的に解決する手段を構築していこうという機運すら自主的に起こらなかったということです。

 ネット上での情報発信者の匿名性を維持しつつ、被害者の救済を図る方法は、大きく分けて2つしかありません。1つは、権利侵害情報が流通することがないようにウェブサーバの管理者が責任をもって違法コンテンツをフィルタリングするというものです。DeNAは公式にはこれをやろうとしていることになっていますが、これはそれなりに人的リソースを消費します(逆にいえば、人海戦術で実現可能とも言いうるのですが)。もう一つは、その利用者が行った権利侵害情報の流布により生じた損害はその流布に用いられたウェブサーバ等の管理者が発信者と連帯して賠償するというものです。

 しかし、前者については、DeNAのあと追随する事業者はほぼ現れていませんし、利用者が負うべき賠償義務を利用者に代位して弁済する方針を採用している事業者は今のところありません。また、いわゆる「匿名派」のみなさまもこのどちらかの方式を採用すべきと思っているわけではなさそうです。

 事業者の望み、匿名派の望みは、ただただ、匿名を用いてなされる誹謗中傷やデマの流布については、加害者に事実上の治外法権が与えられ、被害者がただただ泣き寝入りをする社会です。それは、この間、ネット利用者の匿名性を維持しつつ、誹謗中傷が減少しまたはその被害を回復できるようにする措置を特段提唱してこなかったことからも明らかと言えるでしょう。

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